☆実録・霊感商法騙しのテクニック☆

〜人の弱みにつけ込む、霊感商法の【人を騙すテクニック】を、ご紹介致します〜

何を隠そう、この私が犠牲者なのですから…(/--)/

☆私は、子供の頃、ある霊能者のお婆さんに、お世話になっていました。そのお婆さんは、有名な東京・○○寺で修行されたとのこと。(お婆さんの話では、昭和二十年代まで、○○寺では、素質のある女性を、霊能者として養成するシステムがあり、お婆さんは、その最後の修行者だったそうです。) マスコミに登場するような霊能者とは違い、物静かで、イタコさんのように、霊の言葉を語り、鑑定料は観音様が決める…ということで、数千円の時もあれば、10円の時もあり、逆に、数千円のお金を貰ってしまうこともありました。それだけに、全国から、大勢の方々が、訪れておりました。

 そんな子供時代でしたから、霊に対する興味は、人一倍強かったのです。しかし、お婆さんが高齢のため、鑑定を辞めてしまい、以来、信じられる霊能者を探し求める日々が続くことになり、それが、地獄への道を辿ることになってしまったのです…(/--)/

 時は、1993年。結婚したばかりの家計が、どんどん悪化し始め、毎月、10万円を超える赤字に…。結婚前に、不動産会社の経理事務をしていた妻を信じ、お金の管理は、全て妻へ一任。

 しかし、バブル期に、不動産会社勤務だった妻ですから、お金を湯水の如く考える思考になっており、足りなければ、安易にカードで借りる…そんな状態でした。当然、経済状態は、改善されることなく、カードの負債だけが増えて…。今振り返れば、私も元妻も、バブル期の気持ちのまま、のんべんだらりと生活していたのが、原因なのですが、それを、いつしか霊障のせいにしてしまったのです。

 ある時、新聞に、【高○易断発真会の人生鑑定会】の折り込みチラシが入っていました。(当然、当時はネットもなく、情報源は、テレビ・ラジオ・新聞だけでした。パソコン通信は存在していましたが、万人が使える領域ではありませんでした。)

 読めば、先祖の因縁や様々な霊障によって、人生が狂う…そんな内容のことが、書いてありました。高○易断と言えば、知る人ぞ知る有名な組織。そして、場所は、自宅から車で、20分も走れば行けるビジネスホテル。私と妻は、何の疑いもなく、そこに行くことを決意。

 翌日…早速、会場のホテルに行きました。建物に入ると、その奥にある会議室の前に、テーブルが置かれ、受付の女性が、一人座っていました。いかにも、「宗教をしています」といった、物静かな雰囲気の女性。そこで、必要事項を記入し、鑑定料2,000円を支払い、立派な領収証を受け取ると、会議室の中に案内され…。

 会議室の中は、畳が敷かれ、大きな神棚があり、いかにも神聖なる…という雰囲気。そして、その真ん中に、密教僧風の50歳位の男性が、座っていました。


※画像はイメージです。実際の物ではありません。

 その男性の前に座り、現在の経済的な悩みを話すと、最初は、普通の易の占いを始めました。そして、数分後…その回答は、絶望的な内容で…(-_-#) 希望を持たせるどころか、にこやかに、どんどん追いつめるような話を、淡々と語り続けました。そして、私達が、意気消沈するのを確認すると…

易 「何故、そのような状態になったのかは、特別な鑑定をしなければわからない…ムムッ…」

私 「特別な鑑定とは?」

易 「不動明王様の力を借りた鑑定だ…」

私 「それは、おいくらなんですか?」

易 「5万円だ…」

私 「持ち合わせが無いので、無理なのですが…」

易 「君は、今のままで良いのか? 良くないから、ここに来たのだろう?」

私 「はい…。でも、手持ちが無いので…」

易 「そのままで、良いのか? 幸せになりたくないのか?」 口調は、段々威圧的になってきました。

私 「わかりました。では、近くの銀行に行って、お金をおろしてきますので、10分位、お時間良いですか?」

易 「よし、わかった。待とう…」

 私達は、会場を出て、銀行へ行ったのですが、預金があるはずもなく、カードローンで、5万円を引き出し、ホテルへ戻ることに…。先程の受付で、その金額を支払うと…「特別鑑定は、領収証をお出し出来ません」と…。普通なら、ここで、怪しいと思うのですが、ややマインドコントロールされていたため、疑う気持ちになれなかったのです。

 再び会議室へ入ると、先程の密教僧風の男性が、袈裟を被り、完全武装し、威圧感は、更に高まっていました。私達は、神棚の前に正座。すると、男性は、照明を消し、室内のエアコンを切り、真言を唱え始め…。

 時は、7月下旬。下界は、快晴。当然、30℃を超える気温です。その時に、エアコンを切られ、真っ暗な閉め切った室内にいれば、どうなるかは、想像がつくと思います。一気に、室温は上昇。心臓の鼓動は早くなり、全身から汗が…。

 私自身、10分もあれば、終わるだろう…と思っていたのですが、現実は違い…。身体を動かそうものなら、数珠を持った手で止められ、身動き出来ない状況で、真言やお経を聞かされること、2時間…足は痺れ痛み、感覚が無くなり、滝のように流れる汗が、畳にシミを作るほどでした。当然、意識は、どんどん薄れていく感じになり…(/--)/

 そして、ようやく、その儀式が終わると…「見えた!」と、大声で一言。そこで、初めて、足を崩すことを許され…

易 「君には、先祖の因縁がある! 中途挫折の因縁がある! そして…」

私 「そして…って、何でしょう?」

易 「2年後には、君は無い!」

私 「2年後に無い…って、死ぬということですか?」

易 「まあ、そういうことだ…」

 確かに、曾祖父が、事業を興すために、友人に借金をして、そのまま失敗、踏み倒した…という話は、父から聞いたことがあるので、すぐに、その記憶と結びついてしまい…。しかも、2年後に死ぬ…と言われてしまうと、もうろうとした意識の中で、疑う気持ちは…(-_-:) 生命保険には、加入していませんでしたし、借金を残して死ねば、妻は元より、親にまで迷惑をかけますので、どうしても、それを阻止しなければという気持ちに…。

私 「その因縁は、断ち切ることが出来るのですか?」

易 「出来る! ただし、お金が掛かる!」

私 「いくら位ですか?」

易 「君の代わりに、お坊さんに頼んで、2年間、祈願祈祷してもわなければならない…。お坊さんを、タダで雇えないだろう。君が一日働いて、いくら欲しいか? 仮に3,000円としても、2年間で、この位だ…」 男性は、メモ用紙に、金額を書き、私達に見せました。

私 「すいません、そんな大金ありません。お金以外の方法は、無いのですか?」

易 「ある! 2年間、本山で修行をすることだ!」

私 「週1回は、家に帰れるのですか?」

易 「帰れない。修行期間は、本山から、一歩も外には出られない。家族との接触も出来ない!」

私 「そうなんですかぁ…(-_-#)」 私が、働かなければ、借金は返せませんから、不可能なことです。

易 「どうする? このままで良いのか?」

私 「良くないです。何とか、良い状態にしたいですが…でも、お金が無いのです。」

易 「君は、お金のことで、人生を終わらせたいのか?」

私 「そうではないのですが…」

易 「借金してでも、祈願祈祷をするべきだ! どうする?」 威圧的な口調は、最高潮に達していました。その雰囲気は、OKしなければ、ここから出さない…そんな感じで…(-_-#)

私 「…わかりました。銀行から、開業資金で、お金を借りますから、時間を下さい」

易 「よし! 1週間だけ待つ。」 その場で、祈願依頼書を書かされ、その場を後にしました。ホテルを出た瞬間、外のほうが涼しく感じたのを覚えています。いかに、室内が暑かったか…(-_-:)


その時に貰った名刺…騙されないお守りとして、未だに持っています…(-_-#)
関係者は「熊谷寺」を「のうこくじ」と言っていましたが、その読み自体が怪しかったなぁ…

 銀行から、お金を借りるにしても、「霊感商法に払うため」で、500万円は貸してもらえません。そこで、開業資金という名目で、当時、口座を作っていた信用金庫に行き、交渉してみました。すると、「貸店舗の見積書を出して下さい」とのこと。そこで、近くの不動産屋で、貸店舗のチラシをもらい、それを出して、即OK。当時は、バブルの崩壊が、始まりかけの頃で、世間は、まだまだバブル景気のノリでしたので、金融機関も甘かったです…(^o^;) 親を保証人にするだけで、3日で融資完了。それを易断に振り込むと…

※ちなみに、500万円の一部は、カード負債の精算に使いました。

 すぐに、祈願祈祷セットが、送られてきました。神棚を買い、そのセットを備え、そこから2年間、朝晩の儀式を、休み無く行いました。不安な時は、易断本部で、面談が出来るので、すっかり信じていたのですが…。

 ただ、本部は、雑居ビルの一室で、その表記が、高○易断発真会ではなく、宗教法人・熊谷寺となっており、非常に不思議ではありました…。ちなみに、場所は、火災で有名になったホテル・ニュージャパンの斜向かいのビルでした。


 それから、必死に、毎日の祈願をし続けましたが、借金は減るどころか、更に増え続け、経済状態は悪化、銀行ローンすら払えなくなり、再び、カードに手をつけてしまうことに…。そして、とうとう、昼の仕事だけでは、やり繰り不能となり、私は、昼間の仕事(治療院)の他に、深夜のトラックの運転をすることに…。布団で寝られる時間は、ナポレオン並の2時間半。その時期の特技は、横になって6秒で高いびき…(^o^;) 身体のあちこちが軋み・痛み、笑うことすら出来なくなっていました。

 そのような生活ですから、私は、時間があると、うたた寝…。仕事中も、ボーっとしていて、不信感を抱かれる始末。生活のすれ違いで、夫婦の会話も、夜の営みも無くなり、夫婦仲はギクシャク…。それに追い打ちをかけるように、足の裏のホクロが大きくなり、開業医と総合病院2件で、皮膚ガンの診断…。正に、泣きっ面に蜂状態…(/--)/

 再び、本部に行き、そのことを相談すると、結局は、「試練」「耐えろ」「今は、その時期ではない」等、在り来たりの回答ばかり…。それでも、疑うことをせず、祈願終了を、指折り数えて待ったのです。

 祈願し始めて1年9ヶ月。事態は極限まで悪化。最早、私の二足の草鞋だけでは、支払い不能に陥り、妻に、「パートに出てくれない?」と頼み込みました。酒好きの妻は、趣味と実益を兼ね、駅前スナックのバイトに行くことに。求人募集は、スナックでしたが、実際は、ピンクに近いような店だったそうで、妻は、3日間「辞めたいと泣いていました」

 そんな妻でしたが、4日目から、急に元気になり、同伴出勤や店外デート、更には、家に帰ってこない日も…(゚゚;)エエッ そして、3週間後、「こんな生活、もう嫌! 今すぐ、籍を抜いて!」と。私が、「何で、そんなに急なんだよ?」と聞いても、「いいから、早く籍を抜いて!」の一点張りで、祈願終了を待たずして、離婚することに。妻は隠していましたが、お客の子供を妊娠していたようです。水晶時計のように正確な生理周期の妻でしたから、遅れたことで、妊娠を確証したのでしょう。すぐに籍を抜かないと、相手にバレますし、私の子供になる可能性があります。

妻やお客のずぼらな性交渉にも、腹が立ちましたが、それ以上に、自分の力の無さを後悔しました。

 そのことを伝えようと、本部に電話をすると、何と、現在使われておりません?! まさかっ! 貰った名刺の裏面にあった、別の番号にかけると、「移転した」とのこと。移転先に電話をし、「炉成先生をお願いします」と言うと…

易 「炉成先生は、本山に修行に入られました」

私 「どうしても連絡を取りたいのですが…」

易 「本山に入った人間とは、連絡が取れません」

私 「………」

 私の祈願満了まで、責任を持つ…常に、そのような発言・態度だった人間が、突然修行に入るとは、どうしても納得できませんでした。しかし、連絡が取れないなら、仕方がないので、とりあえず、祈願満了まで残り3ヶ月、信じてみることに…

 そして、祈願満了の日…。事態は、悪化したままです。意を決して、再び、易断本部に電話をすると…

易 「炉成先生は、本山で修行中です。では、別の先生に代わります…」 と、別の担当者に繋ぎました。

そして、別の担当者に、ここまでの経緯を話すと…

別 「私なら、そういう鑑定はしなかった!」

何?! だって、不動明王様の力を借りて、鑑定したんでしょ? その言い方は、個人個人で、鑑定が違いますよ…と言っているようなもの。不動明王様は、全然関係無いじゃないですか!?

私 「では、今までの2年間は、何だったのでしょうか?」

別 「それは、炉成先生の鑑定が悪かったから、私に言われても困る」

私 「だったら、炉成先生に連絡して下さい!」

別 「炉成先生は、お辞めになったから、連絡は取れない」

私 「3ヶ月前、本山に修行に入った、と聞いたのですが、辞めたのですか?!」

別 「そうだ」

私 「高額なお金を払って、2年も耐えたのに、どうすれば良いんですか!?」

別 「では、もう一度鑑定しよう!」

私 「無料ですか?」

別 「違う…」

私 「また、高額な料金を払うんですか?!」

別 「そうなる…」

 このやり取りで、初めて、自分が騙されていたことに気付きました。高額な料金を徴収しておきながら、領収証を出さないのは、宗教法人を隠れ蓑にしていたからですし、密教僧のような格好をしていても、所詮、単なる営業マン…いや、詐欺師だった…。あっ\(◎o◎)/!

 残されたのは、2年という無駄な時間を過ごした後悔と、多額の負債。当時の銀行ローンは、年利7.8%! 更に、ノンバンクのカードローンが加わり、形ある物が無いまま、雪だるま式に膨れあがった借金を、一人で返していく羽目に…(>_<)

 その現実を知っているのは、さっさと去った元妻だけ。親も知りません。融資の連帯保証人が親ですから、自己破産も出来ず、必死に働き続けるしか道は無く…。深夜の路上で、酔っぱらったヤクザと取っ組み合い…そんな危険な目に遭いながらも…

 所詮、私がバカだったのですが、オウム真理教の事件でも、取り上げられていましたが、マインドコントロールされていると、どうしても、正しい現実が見えなくなってしまうのです。

 その数年後、インターネットに接続出来るようになった際、その易断総本部を検索してみると、いろいろなトラブルを起こしていたようで、裁判も行われていました。私自身、払ったお金は返してもらいたいですが、今となっては、時が経ち過ぎていますし、裁判で戦うには、かなりの体力&精神力が必要になります。鑑定した男性や組織を訴え、仮に、刑罰が与えられたとしても、失った2年の月日や苦労は、消えませんから…。ただ、できるなら、炉成さんから、真実を聞きたいですが…。

 人間、落ちるところまで落ち、邪念が消えると、嘘のように、人の中身が見えてきます。修行僧は、滝に打たれて、煩悩や邪念を消しますが、わたしは、霊感商法で騙され続けた2年で、煩悩や邪念が消えたようです。

 何の形もない多額の借金も、人生の修行だと思い、必死に返済、完済しました。高い授業料でしたが、それが、今のオフィスNの存在に、繋がったと思い、納得するようにしています。火のないところに煙は立たず…騙した人間は悪い。でも、騙された人間にも、問題が有るのです。



 そこで、私が、マインドコントロールされるまでの状況をまとめると…

☆もっともらしい話で、どん底に突き落とす。

☆希望を持たせる発言で、ちょっと興味を持たせる。

☆劣悪な環境に身を置かせ、思考能力を低下させる。

☆解決策を提案し、希望を持たせる。

☆とにかく、痛い所を突いて、勧誘する。それで、落とせないと…

☆威圧的な態度&発言で、「YES」と言うまで、トコトン追い込む。

☆落とした後は、親切&優しさを装う。

 人間、下降線の時は、そんなもんですが、この手口は、霊感商法に限ったものではありません。整体のような業界にも、似たような話を聞いたことがあります。通わないと治らない・通わないと悪くなる・よそでは治せない…こんな発言をしている人間は、要注意です。

 人間、落ちてくると、何かにすがりたくなります。それが、宗教や怪しい組織への加入に繋がります。しかし、落ちるのは、自分自身に問題があり、そこから這い上がるのも、自分自身の力だけなのです。宗教や怪しい組織に入り、人生が変わるのは、神や仏の力ではなく、「それに入っているから大丈夫だ!」という自信で、這い上がる力が出てくるからに、他なりません。

拝むことで、希望通りに事が進むのであれば、第一志望校に不合格や、選挙の落選なんか有り得ません。甲子園では、常に、優勝校が同じになるでしょうし、政権だって単独で取れます。でも、現実は…(^o^;)

 人生の下降線を感じたら、まずは、自分自身と身の回りの状態を確認しましょう。住まいの問題・食事の問題・仕事の問題・心身の問題…。ボサボサ頭に、うつろな表情で、薄汚い服。ゴミだらけの部屋で、出来合い物の食生活…それでは、運だって巡って来ません。それら全てを確認したら、それを改善する手段を考え、一つ一つ実行しましょう。

 霊障は、自分の心に宿ります。心を健全に保つためにも、全てのマイナス要素を改善しましょう。そうすれば、自ずと道は開けてきます。あとは、笑顔を絶やさず、信念を持って、生きることです。笑う角には福来たる…決して、嘘でありません。