鞭打ち損傷に対する個人的見解

(Whiplash injury)

分類の仕方には、様々な意見がありますが、概ね4つに分類できます。

(1)頸椎捻挫型:ムチウチの8割が該当する、典型的パターン。

(2)根症状型:背骨の特定方向の動きで、痛みや知覚異常が増幅する。

(3)後部頸交感神経症候群:主に頚や頭部・顔面の神経症状が起こる。

(4)脊髄症状型:頸椎の脱臼や骨折に起因する症状。

※特に解説したいのが、臨床で一番見ることの多い、(1)(2)のパターンです。恥ずかしながら、私自身も、経験者(3回も!)なのです。 1回目は、3ナンバーのセダンが、居眠り運転で…。ブレーキを踏んでいても、前の車にぶつかりそうになりました。(◎_◎) 
 2回目は、10tダンプが…。この時は、逆ウイリー状態。車体後部が持ち上がり、ハンドルが胸の下にありました。\(◎o◎)/ 
 3回目は、2tトラックが…。この時は、背中に過去最大の衝撃を受けました…。 共に、赤信号で停車する際に、突っ込まれた事故です。ちなみに、救急車で運ばれたのは、1回目の時だけで、あとは、人身事故にしませんでした。勿論、凄い衝撃はありましたが、相手が、免許を必要とする職業なので、人身にすれば、失業する可能性もあると思ったためですが…。

 画像上の検査所見が得られないのに、強い症状があります。学生時代、講師であった某有名病院の整形外科部長が、「ムチウチのほとんどは、損害賠償症候群だ…」と、解説していたことを思い出します。つまり、“ある程度の慰謝料が入れば治る”と言うことでしたが、それでは、保険会社が納得しません。

 前述のパターンでは、軽い症状であっても、治癒(?)までに、半年以上を要することもあります。何故なのでしょう?

 まず初めに、誰が“言い出しっぺ”かわかりませんが、“交通事故=ムチウチ”  “ムチウチは後に出る” “交通事故=慰謝料”という“洗脳”が、最大の問題です。
 また、事故直後は、追突等の衝撃に対する防衛反応で、筋肉は強縮(普通以上に筋肉が縮まる)しています。つまり、一時的に凝っているのです。しかも、予期せぬ出来事に、頭の中はパニック状態。警察官による実況検分/事情聴取等で、通常の精神状態では、いられません。そのため、自律神経の興奮は最高潮に達し、強縮した(凝った)筋肉に、更に追い打ちをかけてしまいます。そして、病院に運ばれ、“ムチウチの洗脳”を受け、意気消沈してしまうのです。これで、立派な“ムチウチ患者”の完成です。 

首の筋肉を、確実に衰えさせます。長期使用を行うと、自分の頭を支えているだけで、首や肩の筋肉が張ってしまう身体になります。急性期と(4)の場合を除き、付け続けるのは疑問です。

日本の“マッサージ”と言えば、服の上から押し揉みする“按摩”です。

その場は楽になるので、一見、良い治療に思えますが、すぐに、凝りは、ぶり返します。すると、またマッサージを受け、楽に…。根本は、変わっていません。
この繰り返しで、患者は、マッサージ依存の身体に、作り変えられ、治癒の時期を失ってしまうのです。

本来の身体運動に無い動きで有るが故に、繰り返し、頻繁に行うのは、疑問です。牽引するくらいなら、首をサポートするような枕で、仰向けに寝ているほうが、確実だと思うのです。。。
「どうして仙骨がフリーズ…?」でも、解説してありますが、強い衝撃を受けると、仙骨はフリーズしてしまいます。と書くと、「ムチウチは首への衝撃だよ。仙骨じゃないよ!」という言葉が、返ってくると思います。

 人間の身体は、全身が連動しています。しかも、首と仙骨は、背骨の上と下の関係ですから、瞬時に衝撃が伝わるのです。そのため、一定期間が過ぎても、好転しない症状の場合、二次的な仙骨フリーズによる“運動バランスの乱れ”“自然治癒力低下”が起こり、それが治癒の妨げになっていることも、考えられるのです。

質問に戻る